関節鏡とは、光ファイバーの技術を用いた約4mmの小さなカメラを使って関節の内部を見る技術です(写真右)。関節鏡手術は従来の方法よりも小さな切開範囲で行えます。そのため体への影響が少なく、術後の回復やスポーツへの復帰にも有利です。
拡大した映像を見ながら手術を行うことで、組織の小さな損傷や軟骨の摩耗などを詳細に観察ができ、より細かな処置を行うことが出来ます。
手術中の画像や動画は保存が可能です。画像や動画を用いて患者さんに説明をすることで、安心して治療を受けていただけるように努めています。
また麻酔科とも連携することで、術後の痛みの軽減抑えて、早期退院・早期復帰を目指します。
当院では2020年に行った全手術のうち、75.6%を占める1042件が膝、肩、足に対して関節鏡を用いた手術です。
詳しくは「当院で可能な手術」をご覧ください。
当院にはJOSKAS関節鏡技術認定医が3名在籍しています。
関節鏡手術風景
関節鏡
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当院で行う主な膝関節鏡疾患は以下のようなものです。
靱帯は関節を安定させる丈夫な繊維の束です。膝崩れなどをおこす前十字靭帯(ACL)損傷の他に、後十字靭帯(PCL)損傷や内側側副靱帯(MCL)損傷、2本以上の靱帯が損傷する複合靱帯損傷などに対し、靱帯再建術を数多く行っています。
半月板は将来的に大事な膝のクッションなので、できる限り温存する治療(半月板縫合術など)を行っています。
何度も膝蓋骨(膝の皿)が外れる症状には、膝蓋骨が外れないように安定させる内側膝蓋大腿靱帯(MPFL)再建術や脛骨結節移行術などと呼ばれる手術を行います。
膝の軟骨がはがれた症状には、はがれてしまった軟骨のかけら(遊離軟骨)を元の位置に戻して着けたり、他の健常な部位の軟骨を移植する手術を行います。関節の中で動き回る遊離軟骨は関節ネズミともよばれ、これを取り除く手術も行います。
下記の診断を受けたことがある方や、症状がある方は一度当院までご相談下さい。
当院で行う主な肩関節鏡疾患は以下のようなものです。
年齢が上がるにつれ、腱板という肩の内部の筋肉と腱の組織が損傷する危険が大きくなります。腱板断裂が原因で肩を挙げることが困難、痛みを伴う、夜間の痛みに悩まされる症例には腱板修復術を行います。
肩を動かしたときに不安定感がある症例や、運動時・手を伸ばした時・寝ている時などに繰り返し肩が外れる場合には、肩関節を安定させる手術を行います。この手術は肩関節唇修復術と呼ばれています。
肩の関節が固くなることで、周りの組織と癒着してしまい、肩の挙がりが悪くなる拘縮(こうしゅく)という状態には、組織をはがし、動きをよくする受動術を行います。
下記の診断を受けたことがある方や、症状がある方は一度当院までご相談下さい。
当院で行う主な足関節鏡疾患は以下のようなものです。
足関節の変形が進み、痛みが強い場合には、足首の関節を関節鏡での処置と金属スクリューで動かないようにし、痛みを取る関節固定術を行います。
足首の靱帯が緩み、捻挫を繰り返す症状には緩んだ靱帯の張りを戻す足関節外側縫縮術を行います。
関節内に骨のとげ(骨棘)ができ、当たって痛む場合には骨棘を削る、骨棘切除術を行います。
下記の診断を受けたことがある方や、症状がある方は一度当院までご相談下さい。